
繁殖期で窓ガラス越しにヤモリがにぎやかな季節です。
ヤモリだらけの我が家で元ヤモリーズのおじさんがヤモリについて調べてみました。
1. ヤモリの一生(ライフサイクル)
ヤモリは爬虫類で、卵から孵化し陸上で一生を過ごします。生まれたときから親とほぼ同じ形態で、変態する蛙のような幼生はありません。
代表的なニホンヤモリは全長10~14cmほどになり、尾は自切・再生が可能です。寿命は野生で約10年とされており、冬は壁の隙間などで冬眠します。
2. ヤモリがくるとなぜ縁起がいいのか?
家を守る「家守」の役割
ヤモリの漢字は「家守」。家庭の近くで害虫(蛾、ゴキブリ、シロアリなど)を捕食し、古くから益虫として大切にされてきました。
幸運・繁栄の象徴
- 卵を2つずつ産む習性から「子宝」や「家庭繁栄」の象徴とされています。
- 金運アップや恋愛運の上昇、キャリア向上の前兆とするスピリチュアルな意味も。
3. 家にヤモリが出たらどうすれば良い?
◎ 基本はそっと見守る
害虫駆除の貢献者として、ヤモリは人間にとってありがたい存在。無理に追い出す必要はありません。
◎ 迎えたくない場合の対処
- 新聞紙などで軽く驚かせて外へ追い出す。
- 虫取り網などでやさしく捕まえて、外に逃がす。
ヤモリは臆病で、人に飛びかかることもなく毒性もありません。安心して大丈夫です。
4. ヤモリは何を食べる?
ヤモリは主に夜行性の昆虫を食べます。蛾、蚊、ゴキブリ、クモ、ワラジムシなどを捕食します。街灯などの光に集まる虫を効率よく狙うため、夜の明かり付近で見かけることが多いです。
5. ヤモリは人やペットに害を与える?
まったく害はありません。
毒はなく、噛みつくこともほとんどありません。足の裏にある微細な毛(趾下薄板)を使って壁やガラスに張り付きますが、人間やペットに対する危険性はありません。
6. ヤモリの交尾と繁殖行動
ヤモリは爬虫類らしい独特の交尾スタイルを持ちます。繁殖期は主に春〜夏(5〜8月頃)に集中し、雄と雌は特有のフェロモンや動作で互いを認識します。
◎ 交尾の特徴
- オスは顎や尾でメスを固定し、しっかりと体を密着させた状態で交尾を行います。
- 爬虫類特有の半陰茎(ヘミペニス)と呼ばれる交尾器官を使い、左右どちらか一方を挿入します。
- 交尾は数分〜10分程度で終わることが多く、その後、雌は産卵場所を探して移動します。
◎産卵の習性
- 交尾後、メスは2個の卵を一度に産むことが一般的で、1シーズンに数回繰り返すこともあります。
- 卵は硬くなく、やや柔らかい殻で、乾燥を避けられる暗くて静かな場所に産み付けます(例:壁の隙間、石の下、屋根裏など)。
- 卵は約40〜60日で孵化し、稚ヤモリはすぐに独立して生活を始めます。
◎繁殖に関する豆知識
- オスのヤモリは生殖孔(総排出腔)周辺にヘミペニスを2本持つのが特徴。
- 交尾中は意外にもしっかりと声を出して鳴くこともあります(チチチチ…と小さな音)。
- オス同士は繁殖期に縄張り争いをすることがあり、体を大きく見せたり、噛み合いの小競り合いも見られます。
雑学・豆知識
- 趾下薄板(しかはくばん):足の裏にある微細な毛によってファンデルワールス力を利用し、滑らかな面にも張りつく能力。
- 外来種説:ニホンヤモリは日本在来ではなく、古代に大陸から渡ってきたという説も。
- LED化の影響:LED照明は虫をあまり引き寄せないため、ヤモリの出現場所が変わりつつある。
まとめ
テーマ | ポイント |
---|---|
● ヤモリの一生 | 卵→陸上生活→寿命約10年、尾は自切・再生可 |
● 縁起がいい理由 | 害虫捕食、子宝・金運・家庭繁栄の象徴 |
● 家で見かけたら | 基本は見守り。追い出す場合は優しく対応 |
● 食性 | 夜行性昆虫が中心で、益獣的存在 |
● 人に害なし | 毒なし、噛まない、無害な壁のクライマー |
ヤモリは昔から「家を守る神として慕われる縁起物」であり、夜の害虫を退治してくれる頼もしい存在です。もし自宅で出会ったら、感謝の気持ちを込めて「おもてなし」してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人

旅する雑貨屋/只今島根県津和野町に移住して蜂蜜と森作り
1979年3月生 温泉と焚き火と森林が好きな泳げないうお座ひつじ年。
田舎暮らし、ときどき旅。ときどきイベント出店。
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