
インドは遠い。
横尾忠則の本にハマッていた頃、
「インドへ」を読みインドへ行ったは良いが
その本自体相当古いもので全然想像と違っていたし
インドにいるのにアフリカが恋しくなって
結局ケニアに飛んでってしまったし
南インドを目指してたらそのままスリランカ、
モルジブまで突き抜けてしまったし…。
「そこで沐浴すれば全ての罪が洗い流される」と聞き
ガンジス河の源流ゴームクまで歩いてみたりはしたけれど
なんだかインドの本質には触れてない気がするんです。
触ろうとするとひらりとかわされる感じ。
中に入ってもつるんと吐き出される感じ。
かの三島由紀夫によると
「インドには行ける人と行けない人がいて
その時期はその人の業(カルマ)によって
決定される」らしい。
三島由紀夫の時代のインドとは確実に違うけど
なんだか不思議と遠く感じる本当のインド。
インドは遠い…。
『インドへ』―横尾忠則の感性が捉えた1970年代のインド旅行記
三島由紀夫に背中を押され、ビートルズに刺激を受けて訪れた「インド」。異国のカオスと自己探求を融合させた唯一無二の旅の記録。
1. 本書の概要 ― 異色の旅行記が描くインド
『インドへ』は、1970年代という特異な時代背景を持つインド旅行記です。芸術家・横尾忠則がその鋭敏な感性で捉えたインドの姿を描きつつ、宇宙や自己、自然、芸術についても深く思索を巡らせています。旅行記でありながらも、横尾氏の個人的なスピリチュアル・インナートリップが織り込まれ、従来の紀行文とは一線を画する内容となっています。
2. インドという場所の象徴性
本書は単なるインド旅行の記録ではなく、1970年代の日本の若者が抱いた憧れや感性を象徴的に描き出しています。ビートルズやヒッピー文化、UFOブーム、ドラッグといった当時のトレンドが色濃く反映されています。
レビューにもある通り、横尾氏は「念じるだけでUFOが現れる」といった非日常的な視点でインドを描写しています。読者によってはオカルト的要素に戸惑うかもしれませんが、それもまた当時のインドが持っていた「神秘の国」としての特異な魅力の一部です。
3. 本書が描くインドのリアルと幻想
レビューから見ると、本書には2つの側面があることがわかります。
① リアルなインド描写
横尾氏の観察力は非常に鋭く、カオスに満ちたインドの日常が生き生きと描かれています。
例えば、レビュー「Edgar」氏の感想にもあるように、インドのタクシードライバーが動物を平然と轢いて食材として持ち帰る話や、混沌とした道路事情がユーモラスに綴られています。このようなディテールは、70年代インドの荒々しいリアリティを感じさせます。
② 内面の旅 ― スピリチュアルとUFO
一方で、本書の大部分は横尾氏自身のスピリチュアルな探求に割かれています。UFOの頻出や魂、宇宙といったテーマは、当時のスピリチュアルブームに影響されたものといえるでしょう。この点について、「非日常的で興味深い」と感じる読者もいれば、「少し過剰」と捉える読者もいるようです。
4. レビューを見てみると
絶賛する読者の声
- 「人生が変わる旅」だった時代の象徴
- あるレビューでは本書が描くインドが、当時の若者にとってどれほど特別な場所だったかを強調しています。「インドへ行くこと」がその人の運命を変えるカルマ的な行動とされていた時代感が描かれています。
- 「硬質で高質な文章」
- あるレビューでは本書の文章は語彙が豊富で硬質、そして人間の内面にまで到達する深みを持つと評価されています。
賛否のある部分
- UFOやオカルト要素への賛否
- 「宇宙や魂の話はいいとして、UFOの話がやたら出てくることには閉口した」というコメントも。一方で、これを70年代の文化背景と結びつけ、当時の若者の感性として楽しむ声もあります。
- 「非日常的なインド観」
- 日常的なインドの生活と本書の描写とのギャップを指摘する声も。ただし、本書があくまで旅行者の視点から描かれたものであることを考えれば、むしろその「非日常性」が魅力の一つといえるでしょう。
5. 本書をおすすめしたい読者層
70年代の空気感を知りたい人に
『インドへ』は、1970年代の日本と世界の文化的交差点を感じさせる作品です。ビートルズや三島由紀夫、UFO、ヒッピーカルチャーといったキーワードに惹かれる方にはおすすめの一冊です。
旅行記としてインドを知りたい人に
混沌としたインドの日常をユーモラスかつ生々しく描写しており、インド旅行に興味がある方にも参考になる内容です。
スピリチュアルなテーマに興味がある人に
宇宙や魂、カルマといったテーマを通じて、自身の内面を探求したい方には響く部分が多いでしょう。
6. 1970年代の日本とインドを旅する
『インドへ』は、単なる旅行記を超えて、時代の空気と文化的背景、さらには横尾忠則自身の感性が融合した作品です。レビューにもあるように、本書は「1970年代の若者のバイブル」として位置付けられる一冊。
あなたも、70年代の空気感とカオスに満ちたインドを追体験してみませんか?
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この記事を書いた人

旅する雑貨屋/只今島根県津和野町に移住して蜂蜜と森作り
1979年3月生 温泉と焚き火と森林が好きな泳げないうお座ひつじ年。
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