WWOOFは会員制であり、参加するには年会費が必要ですが、その代わりに、食事、宿泊場所、そして農業やオーガニック生活に関する知識や技術を得ることができます。このシステムは、お金のやり取りなしに、相互の学びと経験の共有を可能にし、世界各国の人々が新しい文化に触れ、理解を深める機会を提供しています。
WWOOF（ウーフ）とは
WWOOF（World-Wide Opportunities on Organic Farms）は、有機農業に興味を持つ人々に、実践的な学びの場と文化交流の機会を提供する国際的なネットワークです。このプログラムは会員制であり、参加には年会費が必要となります。しかし、年会費を支払うことで得られる経験は、金銭的価値で測れないほど豊かなものです。
年会費とその対価
– 年会費：WWOOFに参加するためには、ウーファー（助ける側）またはホスト（助けを受ける農場側）として登録し、年会費を支払う必要があります。この費用は、運営のサポート、ウェブサイトの維持、参加者へのサポートサービス提供などに使用されます。
– 食事と宿泊：ウーファーは、ホストファームでの労働の対価として、食事と宿泊を提供されます。これは、ウーファーが生活費を気にすることなく、農業体験に集中できるようにするためです。
– 知識と技術：参加者は、有機農業の技術、持続可能な生活方法、オーガニック食品の生産と加工に関する知識を学ぶことができます。これは、実践を通じて得られる貴重な経験であり、理論だけでは得られない深い理解を可能にします。
相互学習と文化交流
WWOOFは、金銭のやり取りを伴わない学びと経験の共有のプラットフォームを提供します。ウーファーとホストは、共通の関心事を持つことで強い絆を築くことができ、互いに有意義な時間を過ごすことができます。このシステムにより、世界各国からの参加者が新しい文化に触れ、異文化理解の深化が促されます。
WWOOFジャパン（リンク）
WWOOFは、参加者が有機農業の実践により地球とのより良い関係を築くことを目指しています。年会費という形で小さな投資をすることで、参加者は食事、宿泊、そして農業やオーガニック生活に関する貴重な知識や技術を得ることができます。この交換により、参加者は金銭以上の価値を体験し、持続可能な生活様式への理解と実践の機会を手に入れることができます。WWOOFは、相互の学びと経験の共有を通じて、世界中の人々が新しい文化に触れ、理解を深める機会を提供しています。
🔗 WWOOFジャパン – ホーム WWOOFジャパンは、有機農家であるホストと、日本全国・世界各国のウーファーをつないでいます。
さまざまな種類の仕事
ウーフ（WWOOF）に参加する際には、さまざまな種類の仕事があり、それらは主に有機農業や持続可能な生活に関連しています。ウーファーが経験できる仕事は、ホストファームの種類、場所、季節、およびそのファームの特定のニーズによって異なります。以下はウーファーが行う可能性のある一般的な仕事の例です：
1. 野菜や果物の栽培：種まき、植え付け、水やり、雑草の除去、収穫など、作物の栽培に関わる一連の作業。
2. 家畜の世話：鶏、羊、牛などの飼育、餌やり、搾乳、羊毛の刈り取り、そして場合によっては出産のサポート。
3. パーマカルチャー（恒常農業）のプロジェクト：土地の持続可能な利用と管理のためのデザインや作業に関わる活動。
4. 食品の保存と加工：収穫物の保存、果物や野菜の缶詰めやジャム作り、パン焼き、チーズ作りなど。
5. 建築や修理：エコ建築プロジェクト、ファーム施設や囲いの修理、維持管理作業。
6. 園芸：装飾用の庭の手入れ、有機農法に基づいた植物の育成。
7. コミュニティプロジェクトへの参加：地域社会で行われる環境保護や持続可能な開発に関するイニシアチブへの参加。
8. 教育活動：ワークショップやイベントの企画・実施、子どもたちや地域住民への有機農業や持続可能な生活についての教育。
ウーファーは、これらの活動を通じて、有機農業の技術や知識を学び、自然とのつながりを深め、持続可能な生活様式についての理解を深めることができます。また、世界中の異文化と交流する貴重な機会も得られます。ウーフに参加することで、食事の生産から消費までのプロセスに対する新たな視点を得ることができ、地球とのより良い関係を築くためのインスピレーションを受けることができます。
WWOOFの歴史
WWOOF（World-Wide Opportunities on Organic Farms、有機農場で働きたい人のための世界的な機会）は、有機農業を体験し、文化交流を深めるための非政府組織（NGO）です。このプログラムは、1971年にロンドンで設立された後、世界中に広がっています。WWOOFは、もともと”Working Weekends on Organic Farms”として始まり、都市の住民が田舎での生活に触れ、オーガニック運動を支援する機会を提供することを目的としていました。このイニシアチブは、スー・コッパードによって提案され、サセックスのエマーソン大学内のバイオダイナミック農場で週末に働く4人のグループから始まりました。その成功により、活動は週末を超えて広がり、組織の名前は”Willing Workers on Organic Farms”に変更されました。しかし、”work”という単語が労働法の問題を引き起こすことがあり、外国人が地元の仕事を奪うことに反対する問題が発生したため、2000年には”World Wide Opportunities on Organic Farms”に再度名前が変更されました。
日本では1994年にWWOOF活動が開始され、国内外の有機農家と志を共にする人々を繋ぎ、オーガニックライフスタイルや持続可能な農業に関する知識や経験を共有するプラットフォームを提供しています。WWOOFに参加する人々、つまりWWOOFerは、ホストファームでの生活を通じて、実際の農業作業、環境に優しい生活方法、地域社会との結びつきなど、貴重な体験を積むことができます。
2000年には初の国際ウーフ会議が開かれ、ホストとウーファーの役割についてのガイドライン作成、開発途上国のウーフ組織の振興・支援などが議題に挙げられました。この会議は、WWOOFのミッションとして、文化的、教育的な経験を通じて、世界中のボランティアと有機農家が相互に信頼と無償の精神に基づく持続可能なグローバルコミュニティを構築することを目指しています。
2015年時点で、WWOOFは世界60カ国に国際的な組織を持ち、さらに51カ国にはWWOOFインデペンデンツという形で活動しています。これはWWOOFの理念が世界中で広く受け入れられ、多くの人々がオーガニック農業と持続可能なライフスタイルへの関心を深めていることを示しています。
